洗面台の前に立ち、ベルスーズのクレンジングを手のひらにとる。
鏡には蛍光灯の光に照らし出された、夜の顔。
今日一日のよかったこと、大変だったこと。
それらがファンデーションの上にうっすらとのっているのがわかる。

 

左手にとったクレンジングを右手の指でしずかに混ぜる。
そして、頬に塗り、そっとそっと顔全体に広げていく。

その時だ。

 

私には毎度、風景が見える。

クレンジングに込められた精油の香りを嗅覚が察知した瞬間、
頭の後ろあたりから映写機で眉間の裏側に映像が投影されるようにして ある風景が見えてくるのだ。


今日は、高校時代を過ごした校舎の2階の廊下の風景。
左側の大きな窓から梢が見えた。
昨日は、大人になってから出かけた波勝崎のマーガレット畑
崖の段々に白い花が揺れていた。
おとといは、生まれ育った町の今はもうない八百屋の軒先 白熱灯にてらりと照らされたナスの曲線美。

 

そのように毎回、年代も系統も違うが、何かしらの風景が見えるのだった。
これは一体どうしてなのだろうか。
精油が私の記憶を刺激するのだろうか。
風景が見えるのはほんの一瞬。
あっ と思うと もう見えなくなる。

 

なぜあの風景を思い出したのだろう?
私は毎度、きつねにつままれたような気持ちになる。

どうしてどうして?
そう唱えるリズムで手を動かしながら、顔を清める。

答えはわからない。
わかるのは、ベルスーズの化粧品を使う楽しさ、精油のマジック。
風景が見える化粧品なんて ほかにあるだろうか?

 

クレンジングをすっかり洗い流し、鏡を見る。
年を重ねた自分の素顔を確認する。
それが不思議と辛くない。


私の中に蓄積されている、いろいろな思い出。
思い出ともつかないような、一瞬の記憶。
それらが
確かに私の中にあるのだという誇らしげな気持ちが
口角を上げさせる。

 

リセットされる 私。

明日はどんな風景が見えるだろうか。
いつの間にか そんなことを楽しみにしている。

 

(イトウアヤコ)

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